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マネーフォワード クラウドの事業戦略をCSOが解説します!

こんにちは、Money Forward Business でCSOを担当している山田です(SはStrategyのS)。

今日は、マネーフォワード クラウド会計をはじめとした、マネーフォワード クラウドシリーズの事業戦略を大公開したいと思います。

簡単に自己紹介すると、元々私は会計士として5年間ほど監査法人に勤務し、その後はITベンチャーのCFOなどを経て、5年ほど前にマネーフォワードに入社しました。マネーフォワードではプロダクト開発を3〜4年ほど経験し、現在はビジネスドメインの戦略全般の立案とソーシングサポートを担当しています。

なぜ戦略を公開するのか?

そもそも戦略とはなんでしょうか?

様々な定義が世に存在しますが、例えば「特定の事業ドメインにおいて、事業目的を達成するために、長期的かつ複合的視野で、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営リソースを総合的に運用するための方針や計画」といえると思います。

なんだか小難しいですね。。。もっと簡単に言うことはできないでしょうか。実は私たちマネーフォワード クラウドでは、戦略をこう捉えています。

「事業戦略とは、Mission・Visionまでの道筋である」

マネーフォワードは、Mission・Visionをそれぞれこのように掲げています。

Mission:お金を前へ。人生をもっと前へ。
Vision:すべての人の、「お金のプラットフォーム」になる。

そしてマネーフォワード クラウドは、かかるMission・Visionの達成の一助、すなわち個人や法人のお金の課題を解決するため、そもそもこの日本を富める国にするべく個人事業者や企業の生産性向上を目指しています。

つまり、マネーフォワード クラウド の事業戦略は、個人事業者や企業の生産性向上を図るための道筋であり、これを社内だけではなく、我々のお取引先様であるパートナー、ひいてはお客様にご理解いただくことが、マネーフォワードが実現したい世の中、生産性向上を実現することつながると信じています。

Mission・Visionが「目的」だとすれば、戦略は「手段」にあたる部分ということです。「私たちがどこに向かうのか」という最終的な目的をお伝えすることも非常に大切なことではありますが、「その目的をどのように実現していくのか」という過程についてもお伝えしていくことが、プロダクトや私たちの想いをご理解いただくにあたって重要なことだと考え、本記事の執筆に至りました。

マネーフォワード クラウドのターゲットユーザー

マネーフォワード クラウドシリーズは、SaaSとしてサービス提供していることによりいくつかの強みをもっています。

・サービスの機能改善は日々行われており、お客様は追加の料金を支払うことなく、常に最新の機能を使うことができる
・場所を問わず、かつ、複数人が同時にアクセスして使うことができる
・お客様は、システムやサーバの保守等から解放される

しかし一方で、個別カスタマイズは受け付けていない、お客様ごとに専用のサーバを用意することはしていない、といったオンプレミスによる提供と比べて実現できていないこともあります。

したがって、マネーフォワード クラウドでは、上記強みをメリットとして最大限享受できるお客様。すなわち、
・小規模事業者
・中堅企業(IPO準備企業などの成長企業含む)
をメインターゲットに定めています。

次に、ターゲット別の戦略について触れていきます。

小規模事業者はERPソリューションでIT化の第一歩へ

大企業と比較した際の小規模事業者の生産性の低さは、様々な統計資料から読み取ることができます。

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(2018年 中小企業白書より引用)

要因はさまざまですが、IT投資が進んでいないことがその一つといわれています。

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(2018年 中小企業白書より引用)

大企業においては、1992年にSAPジャパンが設立されたことを皮切りに、メインフレームの時代から統合型ERPへの投資が進みました。しかしながら小規模事業者では、依然としてITへの投資は不十分とはいえ、業務効率があがらないという課題があります。

それもそのはず。これまでIT投資といえばそれなりにイニシャルコストがかかることが一般的で、「投資余力がない」もしくは「社内にITに精通した人材を確保できていない」といった理由から、システム導入が進んできませんでした。

しかし昨今では、クラウドサービスの台頭により、安価でかつシステム投資の経験がなくともシステム導入できる局面が増えてきました。

マネーフォワードは、クラウドサービスが一般化しつつある今こそが小規模事業者の生産性を改善する絶好のチャンスと捉えています。IT導入補助金など国も小規模事業者のIT投資を推進しています。

そして、小規模事業者こそが統合されたERPソリューションが適していると考えています。

なぜなら、小規模事業者では経営管理からバックオフィスまで分業されていることは多くなく、社長が一人で担っているというケースもよくあります。また、小規模事業者では、複数のベンダーのサービスを導入する事務コストも小さくはありません。

そういった場合、複数のサービスを個別に選定していくよりは、経理財務から人事労務、経営管理までを一気通貫して実現するサービスが望ましいと考え、マネーフォワード クラウドでは、『会計』『請求書』『経費』『勤怠』『給与』『マイナンバー』の6プロダクトすべてを2,980円(スモールビジネスプラン/年額払いの場合)〜で使えるプランで、サービスを提供しています。

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『マネーフォワード クラウド』という統合型のバックオフィスソリューションを通して、社長や担当者1人でも、経理財務から人事労務まで、すべてを一気通貫して簡単にこなせる世界を実現したいと思っています。

プラン内容について詳細はこちらをご確認ください。

中堅企業は統合型ERPとSaaSの組み合わせでさらなる業務効率化へ

一方、中堅企業では、意外に思われるかもしれませんが、統合型のERPソリューションとして『マネーフォワード クラウド』を押し出してはいません。

クラウドサービスやSaaSの導入にあたっては、

・顧客を成功させるためには何が必要か?
・導入を妨げているものは何か?

この2つを追求し続けることが大切といわれています。

(前田さんのツイートを拝借しました🙏)

前者の「顧客を成功」に導くためには、様々な要素が必要です。例えば、バックオフィスSaaSにおいては、まず前提として顧客のバックオフィス業務が遂行できるだけの機能が備わっていることが必要です。その上で、既存の業務効率性を改善するだけの工夫(アカウントアグリゲーションによる銀行明細の自動取得など)が大事になります。

しかしながら、それだけではサービスの導入には至りません。ことさらバックオフィスSaaSでは、後者の「導入を妨げているものは何か?」に目を向けることが重要です。そして、そのなかの最たるものがリプレイスコストです。

特に中堅企業では、IT投資が一定程度なされており、すでにERPソリューションが導入されている場合も少なくありません。そのため、通常業務をまわしながら、経理財務から人事労務まですべてのソリューションをリプレイスするには労力や時間がかかりすぎます。

そこで、マネーフォワード クラウドでは、中堅企業向けには「ポストモダンERP」という戦略を採用しています。

「ポストモダンERP」とは、コア業務と周辺業務にきりわけ、コアERPにSaaS型ソリューションを組み合わせることで、過去のIT投資を活かしつつ、最先端のテクノロジーをとりいれることで業務改善を図る新しいERPの概念です。

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(株式会社BeeX「ポストモダンERPとは」より引用)

ポストモダンERPでは、ライフサイクルが比較的長い領域は過去のIT投資をそのままに、業務フローの変化が激しい領域……例えば、昨今の働き方改革による働き方の変化に対応する勤怠管理、スマートフォンの浸透やアカウントアグリゲーションの導入による経費精算など、法律改正やテクノロジーの進歩により、最新のSaaSを導入することで劇的に業務効率を高められる分野のみ、システム導入を行います。

また、組み合わされたSaaS同士や、コアERPとをAPI連携することで、ERPのよい点である各モジュール間の連携性を損なわないように工夫します。

このように、中堅企業向けには、リプレイスコストを極力最小化することがサービス導入の肝であり、マネーフォワード クラウドでは、『経費』や『勤怠』『給与』などを中心に、サービス単体での導入及びコアERPとの連携を積極的に支援しています。

このように、寄り添う姿勢を大切に、できる限り負担感なくSaaSを導入していただけるようよう、ポストモダンERP戦略によって、中堅企業の生産性向上にもコミットしていきたいと思っています。

おわりに

今回は、マネーフォワード クラウドの事業戦略についてまとめてみました。ユーザーの方も検討中の方も、どちらの方にもマネーフォワード クラウドの姿勢について少しでもご理解いただけたら幸いです。

弊社のようにMission・Visionがある会社でも、「各事業がどんな人のどんな幸せのために行われているのか」は見えにくいと思います。

一方それらを知らなくても、機能と値段だけでバックオフィスのプロダクトを選ぶことはできてしまいます。しかし、長期的に利用いただくことでメリットが感じられるSaaSの場合、機能や値段だけではなく、企業の姿勢を深く理解いただき共感いただくことも非常に大切なことだと考えています。

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先日マネーフォワード クラウドのサイトリニューアルを行い、お客様や開発者のストーリーを紹介させていただいています。こちらもぜひ併せてご覧いただければと思います。



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マネーフォワード 執行役員。ビジネスドメインのCSO(strategy)をしています。1985年生まれ。監査法人 → ITベンチャーCFO → フリーランス(ベンチャーのバックオフィス支援) → マネフォ。会計よりSaaSに詳しい会計士。週末は映画を観たりrails勉強したり。