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アクションしたくなるKPIの可視化

はじめまして。マネーフォワードの分析推進室というところで働いているササキと申します。

分析推進室は立ち上がって間もない組織ということもあり、社内でも何をしている集団なのか認識されていない気がします。そこで、僕たちが普段どんなことを考えて何をしているのかをまとめてみることにしました。まずは自己紹介です。

・1991年6月東京生まれ東京育ち。好きなものは音楽と落語と深夜ラジオ
・2014年4月、ベンチャーの調査会社に新卒2期として入社。データアナリスト/コンサルタントとして約5年半勤務
・2019年11月マネーフォワード入社。同じタイミングで立ち上げされた分析推進室にジョイン😆

こんな経歴です。前職ではECモールのマーケティング支援や自動車メーカーのマーケティング支援をしていたのですが、「事業会社でデータ分析をしてみたい!」と思って転職をしました。このあたりの話はまた別の機会にまとめられればと思います。

マネーフォワードの分析推進室とは📈

分析推進室は、簡単にいうと全社横断のデータ分析を行う部署です。ミッションとしては「データ分析を軸に、社内外の情報流通をなめらかにすること」を掲げており、室長の酒井を中心に本当に広い範囲・多種多様な課題解決に日々尽力しています。

データ分析自体が主務なのではなく、データ分析はあくまでも課題解決手段の一つ。社内でニーズがあればハード/ソフトの両面からデータ分析ができる状態を作っていくのが業務だと考えているので、分析”推進”室という名前は僕自身もすごく気に入っています。

マネーフォワードはなんとこの一年間で200人以上が入社したらしいです。急拡大した組織の中で、関係者の情報キャッチアップを助け、スムーズに課題解決ができるように動くのが僕たちの役目ということです。

今回はタイトルの通り「KPIの可視化」についてお話ししたいと思います。「データ分析」というと難しいイメージがありますが、適切に現状を見える化していくことから全てが始まると僕は思っているので、そこをテーマとして選びました。

何をKPIとするべきか🤔

現状の見える化を行う際、重要になってくるのがKPIという考え方です。
では、KPIってそもそも何でしょうか?
調べてみると……

・Key Performance Indicatorの略
・日本語では「重要業績評価指標」と訳される
・正しく設定することは、組織の目標を達成する上で必要不可欠

🤔??
重要そうなのは伝わりますが、いまいちピンとこないですよね。
僕は、KPIを”現実のエッセンスを抽出したもの”だと思うことにしています。

当然ですが、僕たちが生きている現実は本当にたくさんの要素が複雑に絡みあって成り立っています。分析の仕事では、その現実に起きていることをできるだけ正確に捉え、その原因と結果の関係性を考えることが重要です。

とはいえ、現実の全てを指標化してその因果関係を見極めることは不可能なので、計測が可能な指標から可能な限り現実を再現する、という判断が求められます。この時、「計測可能で、かつ現実を再現する時に重要な役割を担っている指標」こそがKPIです。

***

例えば、売上を伸ばすためのKPIを何にするか検討する場合、

- 現実に起きること:売上が上がる/下がる
- 再現するための指標:顧客数 × 顧客単価

と整理することができます。
この「顧客数」と「顧客単価」の2つの指標が伸びている場合、売上も伸びているはずです。この2つは計測しやすく影響力が大きいという意味で、適切なKPIであるといえます。

***

KPI選びはものすごく奥が深いので、それだけで記事が何個も書けてしまうのですが……重要なのは、KPIは複雑な現実を単純化したものであり、「これさえ管理・改善していけばどんどん結果がよくなっていくはず!」という指標を選ぶのが大切という点です。

KPIを「どう見せるか」がアクションへのカギ👀

ただし、KPIを見える化して管理するだけでは現実は改善されません。KPIを計測し集計した結果を元に、改善をするためのアクションをとる必要があります。しかし、ここにもう一つ大きなハードルがあります。集計結果を見ても、「どのようなアクションをするべきなのか」という発想に結びつかないということが起きるのです。

この原因はいろいろ考えられるのですが、一番多いのは単純に集計しただけではその数字が良いか悪いか判断できないから、ではないでしょうか。

このような良し悪しの判断に対し、大きな力を発揮するのがデータビジュアライゼーションです。次に、弊社内で実際に行った事例を紹介しつつ解説していきます。

データビジュアライゼーション 例1:前年比

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売上を集計したところ、今年の売上が100万円になりました。こう表現した場合、数字自体は明確ですがそれ自体が良いのか悪いのかわからないので、次にどんなアクションをすれば良いのかわかりません。

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例えば昨年の売上との差分を表示してみます。これで、昨年時点より売上が伸びていることがわかります。

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あるいは、前年比を割合で出してみます。数字が大きい場合、実数より割合の方が直感的に捉えやすいと思います。

経験則上、経営寄りの人は割合、現場寄りの人は実数で把握することでアクションにつながりやすいです。また、一口にデータビジュアライゼーションと言っても、必ずしもグラフにして可視化することが最適とは限りません。

データビジュアライゼーション 例2:目標と実績の差分

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次の例はユーザー数の推移についてです。時間が経つにつれ段々とユーザー数が増えているため、順調に伸びているように見えます。

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できれば目標値も一緒に可視化すると、今までの施策の結果が順調かどうかを適切に分析できます。目標達成のスケジュールと照らし合わせて、「いまどのくらいまで達成しているのか」を可視化することが重要です。

そのままで達成しそうであれば今までのアクションを継続し(継続を決めるというアクションも大事)、達成が難しそうなのであればアクションを見直す必要があります。

データビジュアライゼーション 例3:月別日次推移

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今度は新規ユーザー数の獲得状況を可視化してみました。集計方法としては日次での新規ユーザー数を累計しています。このように表現すると、前月や前々月と比較し今月の伸び方が良いのか悪いのかが明確です。季節性があるような指標であれば、前年同月も一緒に可視化するとより良くなると思います。

例では順調ですが、前月や前々月(あるいは前年同月)と比べて新規ユーザー数獲得の角度が低い場合、何かしらの対策を打つ必要があることを早い段階で気づくことができます。

ビジュアライゼーションで意識すべきこと💁‍♂️

いくつか例を見てもらいましたが、共通していることはとても簡単で「適切に比較する」ということだけです。”何と”、”どう”比較するかの2点を特に意識すればデータビジュアライゼーションの質は上がります。

①“何と”比較するか🍎🍏
僕がよく使う切り口は目標、時系列、競争相手の3つです。

【目標と比較する】
対目標はわかりやすいと思います。各KPIの目標値に対して今の状況がどのくらい近づいているのかを可視化できると、それだけで危機感が変わります。

【時系列で比較する】
- 去年と比べてどうだったのか(前年比)
- 先月と比べてどうだったのか(前月比)
- 先週と比べてどうだったのか(前週比)
あたりをよく使います。
この時、粒度が細かくなっていけばいくほど、比較対象同士の条件がずれる可能性が高くなっていくのでそこだけ注意してください。例えば、BtoBサービスは平日と休日で大きくユーザーの動きが異なるので、月曜日に前日比を見るとミスリードする可能性があります。

【競争相手と比較する】
データを集めるのが難しい場合もありますが、同じ条件で比較できるのであれば、この切り口で可視化することはとても有効です。

②“どう”比較するか📊🔍
実数で比較するのはもちろんですが、割合を出すというのも有効な比較の手段です。目標達成率や対前年比、市場シェアなんかの数字はおなじみだと思います。

おわりに

今回は自分が普段仕事で考えていることを、あえてかなり細かく切り分けて言語化してみました。実際は試行錯誤の連続で、行ったり来たりしながらやっとの思いでゴールにたどり着く感じです。伝えたいメッセージが明確にある時と、そのメッセージを探している時では、適切なビジュアライゼーションが違ったりするのでまた難しいのです。

社内のSlackには「#分析推進室_グラフ表現相談所」というチャンネルもあり、分析推進室のメンバーのみならず様々なチームのメンバーが数字の見せ方についてあれやこれや議論しています。

KPIの選び方も計測・集計の仕方も見せ方も、全て明確な答えがある領域ではないので、日々多くの情報に触れながらその時の最善を尽くしているような感覚です。どうでもよいですが、僕が個人的に好きなグラフはネットワークグラフです(が、実務で使ったことはほとんどない)。

近いお仕事をされている方とは、ぜひいろいろと情報交換しながらディスカッションさせていただければと思っています! この記事が、迷えるデータ分析者やマーケターの方の参考になれば幸いです。

<👇分析推進室のメンバーも募集中です!👇>


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